更新日:2025年6月15日
こんにちは!動画編集歴5年の私が、業界標準と言われる「Adobe Premiere Pro」を3ヶ月間本格的に使ってみました。
これまでは他の編集ソフトを使っていましたが、案件の要望でPremiere Proの習得が必要になり、思い切って契約。実際に使ってみて分かった本当のメリット・デメリットを包み隠さずお伝えします。
「Premiere Proって実際どうなの?」 「月額料金を払う価値はある?」 「初心者でも使える?」
そんな疑問を持つ方の参考になれば幸いです。
私の使用環境・制作内容
まず、私がどんな環境でPremiere Proを使用していたかをお伝えします。
使用PC環境
- OS: Windows 11 Pro
- CPU: Intel Core i7-12700K
- GPU: NVIDIA RTX 4060 Ti 16GB
- メモリ: 32GB DDR4
- ストレージ: SSD 1TB(メイン)+ HDD 4TB(保存用)
主な制作内容
- YouTube動画編集(10~20分程度)
- 企業PR動画(3~5分程度)
- 結婚式ムービー(10分程度)
- SNS向けショート動画(30秒~1分)
以前使用していたソフト
- PowerDirector(2年間使用)
- DaVinci Resolve(半年間使用)
なぜPremiere Proを選んだのか
決定的な理由
1. 案件での指定 クライアントから「Premiere Proで編集してほしい」という依頼が増加。業界標準というだけあって、プロジェクトファイルの共有が求められることが多くなりました。
2. 将来への投資 映像制作を本格的に仕事にしていく上で、Premiere Proのスキルは必須だと判断。長期的な視点で学習コストを投資と考えました。
3. 他社製品との連携 After EffectsやPhotoshopとの連携に魅力を感じていました。
3ヶ月間の学習・使用スケジュール
1ヶ月目:基本操作の習得
- 1週目: インターフェースに慣れる、基本的なカット編集
- 2週目: エフェクト・トランジションの適用
- 3週目: テキスト・タイトル作成
- 4週目: 色調補正・音声調整の基本
所感: 他の編集ソフトの経験があったため、基本操作は比較的スムーズに習得できました。
2ヶ月目:実践的な編集技術
- YouTube動画制作(週2~3本)
- マルチカメラ編集の習得
- プロキシ編集の活用
- ワークスペースのカスタマイズ
所感: 実際の案件で使い始めることで、効率的なワークフローが身についてきました。
3ヶ月目:高度な機能と最適化
- After Effectsとの連携
- Lumetri Colorでの本格的なカラーグレーディング
- エッセンシャルグラフィックスの活用
- ショートカットの完全習得
所感: この段階で、以前使用していたソフトでは実現できない表現力を実感しました。
【メリット】Premiere Proの良かった点
1. 圧倒的な安定性と処理能力
★★★★★
これまで使用していたソフトでは、長時間の編集でクラッシュすることがありましたが、Premiere Proは3ヶ月間で一度もクラッシュしませんでした。
具体例:
- 20分のYouTube動画(4K素材)を編集中も安定動作
- 100GB超えのプロジェクトでも軽快に動作
- 自動保存機能で作業内容を失うリスクがほぼゼロ
2. 豊富な機能と拡張性
★★★★★
正直、機能の豊富さは他の追随を許しません。特に以下の機能は秀逸でした:
Lumetri Colorパネル
- プロ級のカラーグレーディングが直感的に可能
- LUTの適用も簡単
- スコープ表示でより正確な色調整
エッセンシャルグラフィックス
- After Effectsで作成したテンプレートを簡単に利用
- 文字の装飾バリエーションが豊富
- アニメーションも簡単に追加可能
マルチカメラ編集
- 複数のカメラアングルを同期して編集
- 音声波形での自動同期が便利
- ライブ配信のような複数視点動画も楽々
3. 他のAdobe製品との連携
★★★★★
これは他のソフトでは絶対に味わえない魅力です。
After Effectsとの連携
- Dynamic Linkでリアルタイム連携
- レンダリング待ち時間の大幅短縮
- 複雑なモーショングラフィックスも簡単統合
Photoshopとの連携
- PSDファイルをレイヤー構造を保ったまま読み込み
- Photoshopで編集すると自動的に反映
- サムネイル作成から動画まで一気通貫
Adobe Fontsの利用
- 数千種類のフォントが使い放題
- 商用利用も安心
- 常に最新フォントが追加される
4. 豊富な学習リソース
★★★★☆
業界標準だけあって、学習リソースが充実しています。
- 公式チュートリアル: Adobe公式の高品質なチュートリアル
- YouTube動画: 無数の解説動画
- 書籍: 専門書籍が豊富
- コミュニティ: 活発なユーザーコミュニティ
困ったことがあっても、検索すればほぼ確実に解決策が見つかります。
5. 定期的なアップデートと新機能
★★★★☆
この最新リリースの新機能と機能強化について説明します。 Premiere Pro の 25.3 リリースでは、検索パネルの高度なフィルタリング、シーケンスタブのラベルカラーなどが含まれています
使用期間中にも複数回のアップデートがあり、常に最新機能を使えるのは大きなメリットです。
印象的だった新機能:
- AI音声強化機能の追加
- UIデザインの改善
- 処理速度の向上
【デメリット】Premiere Proの残念だった点
正直にお伝えしますが、Premiere Proにも気になる点はありました。
1. 月額料金の高さ
★★☆☆☆
プレミアプロは、年間プラン(月々払い)で月額3,280円(税込)、年間一括払いで年額34,680円(税込)などのサブスクリプション形式
年間で約4万円という金額は、趣味で使うには正直高いです。
料金プラン(2025年6月現在)
- 月々プラン:4,980円/月
- 年間プラン(月々払い):3,280円/月
- 年間プラン(一括払い):34,680円/年
私の対処法:
- 案件収入でペイできるよう計画的に利用
- 他のAdobe製品も使うならコンプリートプランも検討
2. 高いPCスペック要求
★★☆☆☆
私のPC環境でもたまに重く感じることがありました。
推奨スペック以上が必要な場面:
- 4K動画の編集
- エフェクトを多用した編集
- 長時間動画の編集
特にストレージ容量は要注意:
- プロジェクトファイルが大きくなりがち
- キャッシュファイルでストレージを圧迫
- 定期的なクリーンアップが必要
3. 学習コストの高さ
★★★☆☆
機能が豊富すぎて、すべてを使いこなすには時間がかかります。
習得に時間がかかった機能:
- マルチカメラ編集の効率的なワークフロー
- Lumetri Colorでの本格的なカラーグレーディング
- プロキシワークフローの最適化
- ショートカットキーの完全習得
初心者には少しハードルが高いと感じる場面もありました。
4. 一部の動作が重い
★★★☆☆
安定していると言いましたが、一部の機能では動作が重く感じることがありました。
重いと感じた場面:
- 複数のエフェクトを重ねた時
- 高解像度素材を大量に使用する時
- プレビュー再生時のレンダリング待ち
5. 解約時の注意点
★★☆☆☆
年間プランの場合、途中解約すると解約手数料が発生します。
- 年間プランの途中解約:残金の50%が解約手数料
- 月々プランなら手数料なしで解約可能
契約前に利用期間をしっかり検討する必要があります。
他のソフトとの比較
vs PowerDirector(以前のメインソフト)
項目 | Premiere Pro | PowerDirector |
---|---|---|
価格 | 月額3,280円 | 買い切り12,980円 |
安定性 | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
機能の豊富さ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
学習の易しさ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
処理速度 | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
結論: 本格的な編集をするならPremiere Pro、手軽に始めるならPowerDirector
vs DaVinci Resolve(無料の高機能ソフト)
項目 | Premiere Pro | DaVinci Resolve |
---|---|---|
価格 | 月額3,280円 | 無料 |
カラーグレーディング | ★★★★☆ | ★★★★★ |
編集機能 | ★★★★★ | ★★★★☆ |
学習の易しさ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
業界での普及度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
結論: 業界標準を求めるならPremiere Pro、コスト重視ならDaVinci Resolve
実際の作業効率はどう変わった?
編集時間の変化
YouTube動画(10分)の編集時間:
- PowerDirector使用時:約4時間
- Premiere Pro使用時:約2.5時間
効率化のポイント:
- ショートカットキーの豊富さ
- プロキシ編集による軽快な動作
- エッセンシャルグラフィックスによるテンプレート活用
品質の向上
色調補正:
- 以前:基本的な明度・彩度調整のみ
- 現在: Lumetri Colorによる本格的なカラーグレーディング
音声調整:
- 以前:音量調整程度
- 現在: EQやコンプレッサーを使った高品質な音声処理
テキスト・グラフィックス:
- 以前:限られたテンプレート
- 現在: After Effectsテンプレートによる高品質なアニメーション
こんな人にPremiere Proをおすすめ
強くおすすめする人
1. 動画編集を仕事にしたい人
- 業界標準のスキルが身につく
- 案件獲得に有利
- 長期的な投資価値が高い
2. 高品質な動画を作りたい人
- プロレベルの編集機能
- 豊富なエフェクトとカスタマイズ性
- 他のAdobe製品との連携
3. 継続的に動画制作する人
- 月額料金をペイできる制作頻度
- 効率的なワークフローの恩恵
- 定期的なアップデートの価値
おすすめしない人
1. たまにしか動画編集しない人
- 月額料金が割高
- 機能を持て余す可能性
- 学習コストが高い
2. 低スペックPCを使用している人
- 快適な動作には高スペックが必要
- ストレージ容量も大量に必要
- 動作が重くストレスになる可能性
3. 完全無料にこだわる人
- DaVinci Resolveなどの無料ソフトも高機能
- 学習リソースも充実
- 趣味レベルなら無料でも十分
無料体験版を試す前に知っておくべきこと
Premiere Proには7日間の無料体験版があります。体験版を最大限活用するためのポイントをお伝えします。
体験版の制限事項
- 期間: 7日間(延長不可)
- 機能: 製品版と同じ(制限なし)
- 書き出し: 透かしなしで書き出し可能
- 必要なもの: Adobe IDとクレジットカード情報
7日間で試すべき機能
1日目:基本編集
- インターフェースの確認
- カット・トリミング
- 基本的なエフェクト
2日目:テキスト・グラフィックス
- エッセンシャルグラフィックス
- テキストアニメーション
- ロゴの配置
3日目:カラー・音声
- Lumetri Colorパネル
- 音声調整
- ノイズ除去
4日目:高度な編集
- マルチカメラ編集
- プロキシワークフロー
- キーフレーム
5日目:連携機能
- After Effectsとの連携(体験版がある場合)
- Adobe Fontsの利用
- Creative Cloud連携
6日目:実際の作品制作
- 短い動画を一本完成させる
- 書き出し設定の確認
- ワークフローの確認
7日目:最終判断
- 他ソフトとの比較
- 料金プランの検討
- 継続利用の判断
体験版申し込み時の注意点
- 自動更新: 体験期間終了後、自動的に有料プランに移行
- 解約手続き: 体験期間中に解約手続きが必要
- データ保存: 体験期間中に作成したプロジェクトは継続利用可能
料金プランの選び方
プラン別比較
Premiere Pro単体プラン
- 月々プラン:4,980円/月
- 年間プラン(月々払い):3,280円/月
- 年間プラン(一括払い):34,680円/年
Creative Cloudコンプリートプラン
- 年間プラン(月々払い):7,780円/月
- 年間プラン(一括払い):86,880円/年
- 含まれるソフト:20以上のAdobe製品すべて
私のおすすめプラン
Premiere Proのみ使用する場合 → 年間プラン(月々払い):3,280円/月
- 月々プランより40%お得
- 途中解約も可能(解約手数料あり)
After EffectsやPhotoshopも使う場合 → Creative Cloudコンプリートプラン
- 2つ以上のソフトを使うならお得
- Adobe Fontsやクラウドストレージも含む
学生・教職員の場合 → 学割プラン:月額2,180円
- 65%以上の割引
- 在学証明書が必要
3ヶ月使用後の結論
総合評価:★★★★☆(4.2/5.0)
良い点:
- 圧倒的な機能性と拡張性
- 業界標準の安心感
- 他のAdobe製品との連携
- 豊富な学習リソース
- 定期的なアップデート
気になる点:
- 月額料金の高さ
- 高いPCスペック要求
- 学習コストの高さ
私の今後の使用予定
継続決定!
理由:
- 案件での指定が増加している
- 編集効率が大幅に向上した
- 作品のクオリティが向上した
- 長期的な投資価値が高い
ただし、年間プランで契約してコストを抑えます。
よくある質問
Q1. 初心者でも使えますか?
A: 他の編集ソフトの経験があれば1-2週間で基本操作は習得可能です。完全初心者の場合は1-2ヶ月の学習期間を見込んでください。
Q2. 買い切り版はありませんか?
A: 現在は提供されていません。以前のバージョン(CS6)が最後の買い切り版でした。
Q3. MacとWindowsで機能差はありますか?
A: 基本的な機能に差はありません。ただし、一部のエフェクトやGPU加速機能でわずかな違いがある場合があります。
Q4. 途中で解約できますか?
A: 可能です。ただし年間プランの場合、残り期間の50%が解約手数料として発生します。
Q5. 他のソフトからプロジェクトを移行できますか?
A: XML形式での移行が可能な場合があります。ただし、完全な互換性は保証されません。
まとめ:Premiere Proは投資する価値があるか?
3ヶ月間の使用を通じて、Premiere Proは確実に投資する価値があるソフトだと確信しました。
おすすめする理由
- 将来性: 業界標準として今後も使い続けられる
- 効率性: 慣れれば作業効率が大幅に向上
- 品質: プロレベルの作品制作が可能
- 学習環境: 豊富な学習リソースで成長し続けられる
投資回収の目安
月3本の案件(単価3万円)を受注できれば、月額料金は十分ペイできます。 スキルアップにより単価向上も期待できるため、長期的にはプラスの投資になるでしょう。
最後に
動画編集ソフト選びで迷っている方へ:
まずは7日間の無料体験版を試してください。
実際に触ってみることで、自分に合うかどうかが分かります。他のソフトと比較検討した上で、最適な選択をしてください。
私個人としては、Premiere Proを選んで本当に良かったと思っています。皆さんの動画制作ライフがより充実したものになることを願っています!
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